「飯豊連峰」の登り方~山頂café推奨ルート~

飯豊山(いいでさん)のご紹介

雄大なスケールで多くの登山者を魅了する飯豊連峰。その主峰は標高2,105mの飯豊本山であり、福島県・山形県・新潟県の3県にまたがる日本百名山の1つです。山頂には飯豊山神社の社が祀られる古くからの信仰の山です。日本屈指の豪雪地域ということもあって、真夏でも随所に雪渓が見られます。

今回は8月下旬に野村代表と東北支部メンバー2人の3人パーティーで挑戦してきました。

飯豊山にはいくつもの登山ルートがあり、体力・技術やアクセス方法に応じて各ルートを選択することができます。今回は2泊3日で、比較的難易度の易しい福島県側の「弥平四郎コース」から登りました。

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行程

8月26日
7:30 弥平四郎口 到着
(土砂降りのため車で待機)
9:30 弥平四郎口 出発(新長坂ルート)
10:10 祓川山荘
13:10 松平峠
(行動食の昼食)
14:30 疣岩山(いぼいわやま)
15:30 三国小屋
17:00 夕食
20:00 就寝
8月27日
4:30 起床
4:50 山小屋でご来光
5:20 朝食
6:00 三国小屋 出発
7:10 種蒔山
8:00 切合小屋(きりあわせごや)
10:20 本山小屋、飯豊山神社に参拝
10:45 飯豊本山 登頂!<標高2,105m>
11:20 本山小屋
(昼食は500円のカップラーメン…)
14:30 切合小屋(きりあわせごや)
(夕食~翌日分の水をたっぷり補給)
15:25 種蒔山
16:30 三国小屋
17:30 夕食
20:00 就寝
8月28日
4:30 起床
5:00 朝食
6:30 三国小屋 出発
7:30 疣岩山(いぼいわやま)
8:00 巻岩山(新コース)
8:50 上ノ越
11:00 弥平四郎口 到着

アクセス

公共交通機関の場合

東京方面から
東京→(東北新幹線)→郡山→(磐越西線)会津若松→(磐越西線)→野沢→(西会
津町民バス)→弥平四郎バス停

※西会津町民バスは前日までに要予約。弥平四郎バス停から登山口までは約1時間の林道歩き
『デマンドバス予約センター』電話0241-48-1300 
https://www.town.nishiaizu.fukushima.jp/soshiki/3/728.html

車の場合

磐越自動車道 西会津インターより登山口の祓川駐車場まで約1時間30分

登山道から望む飯豊本山

宿泊小屋について

弥平四郎口から山頂の間には3つの避難小屋があり、歩行時間や体力に応じて宿泊先を選択することができます。

『三国岳避難小屋』
宿泊2,000円
夕食1,500円
※レトルトのカレー・牛丼・中華丼・親子丼から選択可能(レトルト白米・味噌汁付き)
水300円(500ml)
※三国小屋付近には気軽に汲みに行ける水場なし
ペットボトル500円(お茶、ジュースなど)
缶ビール・缶チューハイあり(料金未確認)
シュラフ・マットの有料貸出あり(料金未確認)

『切合避難小屋』
宿泊 素泊まり 2,500円
1泊2食 6,500円(米3合持参の場合)
小屋前に水場有り
カップラーメン500円
バッジあり

『本山小屋』
宿泊2,000円
テント場から少し下った場所に水場有り
カップラーメン500円
バッジ1個800円 2個1,500円

※すべてシュラフマット必須の避難小屋です。各小屋、7月1日~9月下旬(小屋によっては10月上旬)までは管理人さんが常駐予定とのことです。

問い合わせ先:
福島県喜多方市 山都総合支所産業課
TEL 0241-38-3831

参考URL:
喜多方市
https://www.city.kitakata.fukushima.jp/soshiki/sangyo-y/11192.html
小国町観光協会
http://www.ogunikankou.jp/03play/tozan/iide/iide5.html

上記の情報はあくまで調査日時点のものですので、変更となる場合がありますのでご注意下さい。

小屋から見たご来光

コメント

2017年8月26日から2泊3日で野村代表を含むメンバー3名で登ってきました。

弥平四郎集落から登山道への道のりは、車で約30分の砂利道の林道走行となります。途中、道が荒れており、大きな段差やえぐれた箇所があるため、通行には細心の注意が必要です。調査日当日は、林道の途中で路面崩壊のため車両通行止めとなっており、手前のスペースに駐車の上、登山口まで20分ほど歩きました。

弥平四郎コースは2017年8月26日時点でルート上の残雪はすべて消えており、アイゼン等は必要ありませんでした。

登山口から疣岩山まで「新長坂ルート」「新ルート」の2つがあります。今回は、登りで新長坂ルート、下りで新ルートを利用しました。

  • 新長坂ルート
    水場あり、登り始めて20分ほどの祓川山荘(無人の避難小屋)のトイレが利用可能

  • 新ルート
    水場なし、登山口に簡易トイレ1器が設置されていて利用可能

どちらのルートも特に危険個所はありませんが、急登が続くため、ゆっくり慎重に歩きました。

※新長坂ルートは冬~春先にかけて雪崩が発生しやすいため、その時期は新ルートを利用してくださいとのことです。

疣岩山までは急登が続きますが、そこから三国岳避難小屋までは比較的緩やかな稜線歩きになります。飯豊本山~大日岳の雄姿を眺めながら歩くことができ、疲れを忘れさせてくれました。

三国岳避難小屋に着くと、管理人さんや宿泊客がにこやかに出迎えてくれました。宿泊スペースには番号が割り振られており、2階奥の空いているスペースを割り当ててくださいました。この日は天気が良かったため、屋外で夕食作りスタート。焼きそばを作る予定が、まさかの焼そば忘れ(笑)。急きょ、ウインナー入り野菜炒めと野村代表のお土産の名古屋名物味噌煮込みうどんの夕食となりました!

飯豊連峰の山小屋はすべて避難小屋です。小屋によっては食事の提供やシュラフ・マットの貸出はあるようですが、数に限りがあり、時期によっては在庫が無い場合もあるので、事前に問い合わせた上でご利用ください。宿泊した三国小屋は清掃が行き届いており、管理人さんもとても親切で、避難小屋ながらとても快適に過ごすことができました。また各小屋とも、とても清潔で匂いもない水洗のトイレが利用可能です♪管理人さんに感謝!!(立ち寄りの場合1回100円)

残念ながら2日間とも夜中は雲がかかってしまい、星空を眺めることはできませんでした。ただ、眼下の夜景はキレイに見え、またどこか遠くの町の花火大会の花火が小さく見えました。翌朝は小屋の前からご来光を望むことができました♪

野村代表のイケメンシルエット笑

当初は、登山口から本山小屋まで一気に登り、本山小屋に連泊の上で大日岳まで足を延ばす予定でした。ただ、初日の登山口到着時点で土砂降りだったため晴れるまで車の中で待機し、出発時間を遅らせたため、途中の三国小屋にて宿泊することとしました。

翌日は大きな荷物はすべて三国小屋にデポし、飯豊本山へピストンの上、三国小屋に連泊することとしました。結果、日程的にも体力的に私たちにとってはこれが大正解でした!アタックザックのみ背負っての登りはとても体が軽く、10時間の行程も無理なく歩くことができました♪

三国小屋から本山までの道のりは多少のアップダウンがありますが、残雪もすべて消え、特に危険箇所はありませんでした。唯一、「御秘所(おひそ)」と呼ばれる岩場は高度感があり、ストックをしまって3点支持で慎重に通過しました。この日は晴れていましたが、雨で岩場が濡れている場合は特に注意が必要です。

本山小屋の少し手前には広いテント場がありますが、この日は1張だけでした。飯豊山でのテント泊はとても憧れますが、ここまでテントを担ぎ上げることを考えると、実現にはまだまだ夢のまた夢です。。。テント場から100mほど下った所には、水量豊富な水場があり、冷たい水をいただくことができました。

本山小屋には飯豊山神社が隣接しており、ここまで無事たどりつけたことの感謝と下山までの安全祈願をしました。本山小屋から飯豊本山までは約20分の道のりです。すっかりあたりはガスに包まれてしまいましたが、飯豊本山に無事登頂!!登山を始めた頃はまさか自分が飯豊山に登頂できる日が来るとは思っていなかったので、感慨もひとしおでした。

下山は来た道を引き返し、途中の切合小屋にて3人で計6リットル以上の水を補給して三国小屋に戻りました。三国小屋には近くに水場がないため、この切合小屋の水場は大変ありがたいものでした。ほとんどの水をザックに入れてかついでくれた野村代表、本当にありがとうございましたm(_ _)m

初日の焼きそば忘れにより、食糧計画が少し変わってしまったため、この日は贅沢をして小屋にて1食1,500円の夕食を2人分注文しました(レトルト中華丼&牛丼)。避難小屋2泊3日の場合は、もっと事前に食糧計画をしっかり練る必要があったと反省です…。

2日目にたくさん歩いておいたおかげで、最終日は約4時間30分下るのみです。帰りは疣岩山から新ルートを下山しました。ひたすら急坂を下ったため、かなり足が疲れましたが、特に危険箇所もなく全員無事に下山することができました。

マイカーが軽自動車だったため、個人的に登山口への往復がこの山行の一番の難所でした…。尚、登山口付近はドコモは圏外だったため、もし車がスタックしても助けも呼べなかったため、非常にハラハラしながら通行しました(_ _;) マイカーで登山口に向かわれる方は、現地情報を確認し、慎重に通行して下さい。

アクセスの遠さや山行時間の長さから、個人的に飯豊山は東北の山の中でも最難関であると考え、これまで挑戦できずにいました。今回、余裕を持った日程を組み、比較的易しいルートを選んだことで、ビギナー登山者の私でも無理なく安全に楽しく登ることができました。次回は、「川入コース」や「大日杉コース」から登ってみたいと思います。

ぜひ皆さんも事前にしっかり下調べをした上で自分に合ったルートを選択し、雄大な飯豊連峰の山歩きを楽しんでください♪

下山後の温泉

おやど東山  500円(会津若松市内・東山温泉)
いいでのゆ  400円(川入登山口方面 第2月曜休館)
ロータスイン 500円(西会津インター近く 第4月曜休館)

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